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吉井 文男; Darwis, D.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 57(3-6), p.417 - 420, 2000/03
被引用回数:63 パーセンタイル:95.73(Chemistry, Physical)生分解性のポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60Cという耐熱性のない材料である。このため、固相(室温)溶融相(80C)及び過冷却相(80Cで融解後45Cで保持)で照射橋かけを行い、耐熱性や橋かけ構造導入後の生分解性を調べた。その結果以下のような事実を見いだした。(1)三つの相状態の中で過冷却照射が最も橋かけしやすい。橋かけのG値は、固相は0.27,過冷却相0.7,溶融相0.45である。(2)過冷却相照射PCLは高い耐熱性を示し、60Cから150Cに向上した。(3)土壌埋設及び活性汚泥による試験では、生分解性が照射試料の方が未照射PCLよりも分解しやすい。これらの新しい事実は、生分解性ポリマーの応用分野の拡大に有益である。
Darwis, D.*; 西村 健二*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Journal of Applied Polymer Science, 74(7), p.1815 - 1820, 1999/11
被引用回数:16 パーセンタイル:56.42(Polymer Science)生分解性ポリカプロラクトン(PCL)の加工性を改善するため、ペレット状PCLを室温で照射し、分子量、粘弾性、溶融張力を測定し、以下の事実を明らかにした。(1)30kGy程度の低線量照射により分枝構造が導入され、分子量が2倍に増加した。(2)粘弾性測定では、未照PCLは60Cで溶融切断するのに対し、15kGy照射からゴム弾性域が150Cまで広がり、成形加工温度域が大幅に改善できた。(3)分枝構造の導入により溶融張力も著しく増加した。このような溶融張力の改善から、これまで製造できなかった発泡体が製造できるようになった。
吉井 文男
放射線と産業, (82), p.26 - 30, 1999/06
生分解性ポリマーであるポリカプロラクトン(PCL,融点60C)は耐熱性が低く、加工性に乏しいため、実用化がおくれている。これらを放射線により改善した。耐熱性はPCLを過冷却照射により向上した。加工性はPCLを室温で1530kGy照射を行うことにより溶融張力が増し、発泡体やフィルム成形が高速で行えるようになった。本稿では、これらの基礎的結果とそれらをもとに農業分野への応用の可能性を述べた。
Darwis, D.*; 西村 健二*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Journal of Applied Polymer Science, 74(7), p.1815 - 1820, 1999/00
被引用回数:13生分解性のポリカプロラクトン(PCL)をペレット状態で照射すると分枝構造が導入され、加工性が改善できた。分枝構造の生成は、10kGyの低線量照射により分子量が増大し、溶融粘度の上昇から明らかである。分枝構造は、PCL分子鎖の絡み合いを引き起し、融点以上の粘弾性や伸長粘度を著しく改善した。これが発泡に有効で30kGy照射したものは25倍もの蜂巣状の発泡体ができた。未照射PCLは伸長粘度が小さいため発泡体にはならない。発泡体は薄い皮膜から成っているため、発泡前のシートよりも酵素分解が起きやすかった。
Darwis, D.*; 三友 宏志*; 吉井 文男
Polym. Degrad. Stab., 65, p.279 - 285, 1999/00
被引用回数:36生分解性試験として、過冷却相で照射橋かけし、ゲル分率80%のポリカプロラクトン(PCL)を用いた。土壌埋設試験では、橋かけPCLは未橋かけPCLと同じ分解性を示し、6ヶ月後に60%の重量減少が認められた。活性汚泥中とメチルアミンによる化学分解では、橋かけPCLの方が未橋かけPCLよりも短時間で分解した。これはPCLのモルホロジーが異なるためであり、橋かけPCLは結晶サイズが小さく、また照射中に橋かけと同時に起る分解による低分子鎖を含んでいるためと考えられる。このような事実から、橋かけ構造を導入したPCLが使用後にコンポスト化処理により処分できることが明らかとなった。
吉井 文男
プラスチックスエージ, 44(10), p.144 - 147, 1998/10
生分解性ポリマーのポリカプロラクトン(PCL)の照射効果について、種々の相状態で照射し、過冷却相照射が耐熱性の改善に有効であった。本レポートの要点は次のようである。(1)固相、溶融相、過冷却相で照射すると、過冷却相が最も橋かけしやすい。(2)過冷却相照射で得た橋かけPCLは150Cでも溶解しない耐熱性のあるものである。(3)土壌中の分解には橋かけ構造は影響を与えない。
吉井 文男
放射線と産業, (80), p.48 - 50, 1998/00
生分解性ポリマーのポリカプロラクトン(PCL)は結晶融点が60Cの耐熱性の低いポリマーであるため、その改善が望まれている。このため固相、溶融相、過冷却相の放射線橋かけを検討した結果、過冷却相が最も橋かけしやすいことを見出した。本稿では、この橋かけ挙動と耐熱性の評価結果及び橋かけと生分解性との関係を述べた。
Darwis, D.*; 三友 宏志*; 円城寺 太郎*; 吉井 文男; 幕内 恵三
Journal of Applied Polymer Science, 68, p.581 - 588, 1998/00
被引用回数:45 パーセンタイル:82.12(Polymer Science)生分解性ポリカプロラクトン(PCL)を種々の温度で照射した結果、次のような新しい事実を見出した。(1)PCLは融点(60C)以上で融解後温度を下げ、結晶化に至らない45Cのような非晶状態で照射を行うと、橋かけ反応が低線量で起る。(2)得られた橋かけPCLを200Cのような高い温度で圧縮成形を行うと、透明なフィルムが得られる。(3)成形フィルムは高い耐熱性を示し、120Cでも変形せず、強度は3MPa、伸びは450%である。他の性質として、熱収縮機能もあることが分かった。